業務用エアコンの洗浄頻度の目安と決め方

業務用エアコンの分解洗浄を「何年ごとに行えばよいか」は、予算や作業日程を決めるうえで最初に悩むポイントです。この記事では、法人・施設の担当者の方が自社の頻度を決めるための考え方を整理します。

先に結論

  • 業務用エアコンの分解洗浄の頻度は、使用時間と設置環境(油煙・ほこり・湿気・人の出入り)で変わります。すべての施設に共通する決まった年数はありません。
  • フィルター清掃は取扱説明書に沿ってこまめに行い、本体内部(熱交換器・ドレンパン・送風ファン)は定期的に分解洗浄する、という組み合わせが基本です。分解洗浄の目安としては「1〜2年に1回程度」がよく挙げられます。油煙の多い飲食店などは使用環境によって差が大きく、年1回、においや汚れが気になる場合は年2回行うケースもあります。
  • においや吹出口の黒い汚れなどのサインが出たら、前回からの年数にかかわらず洗浄を検討します。

「フィルター清掃」と「分解洗浄」は別の作業です

頻度を考える前に、作業の範囲を分けておくと判断しやすくなります。

フィルター清掃分解洗浄
対象吸込口のフィルター・グリル熱交換器・ドレンパン・送風ファンなど本体内部と、取り外した部品
誰が行うか施設の担当者が行える作業専門業者に依頼する作業
頻度の決め方機種の取扱説明書に記載の方法・頻度に従う使用時間と環境で決める(下の表を参照)

メーカーのダイキン工業は、天井カセット形のお手入れ方法を紹介するページで、フィルターには数か月でほこりがたまること、フィルターや熱交換器のほこりが余分な電力消費につながること、そしてエアコン内部のクリーニングは専門業者に依頼するよう案内しています。フィルター清掃だけでは本体内部の汚れは落とせないため、両方を組み合わせて計画します。

分解洗浄で何をするかは、業務用エアコン分解洗浄の作業内容で写真付きで説明しています。洗浄の範囲は機種・構造に応じて可能な範囲までで、型番や写真で事前に確認します。

使用環境ごとの考え方

同じ機種でも、置かれている場所によって汚れ方が大きく変わります。下の表は、頻度を決めるときの考え方の例です。

施設・場所汚れやすい要因頻度を考えるときのポイント
オフィス・事務所ほこり、長時間の運転1〜2年に1回程度を目安に、運転時間が長いフロアは短めに
飲食店(客席・厨房に近い場所)調理の油煙・湯気使用環境によって差が大きい。年1回程度を基本に、においや汚れが気になる場合は年2回(冷房・暖房の使用前など)行うケースも
美容室・サロン髪くず・ほこり、湿気運転時間と汚れの状態を見て検討
クリニック・福祉施設・学校長時間の運転、人の出入り休診日・長期休暇など作業しやすい時期に合わせて定期化
工場・倉庫粉じん、設置場所の高さ現場の環境を確認して個別に判断

表中の年数は一般的に挙げられる目安で、法令やメーカーが定めた基準ではありません。実際の汚れ方は使用年数・運転時間・環境によって異なります。

年数より先に見たい「洗浄を検討するサイン」

  • 運転を始めると、においが気になる
  • 吹出口のまわりやルーバーに黒い汚れが見える
  • 冷房・暖房の効きが以前より弱く感じる
  • 前回の分解洗浄から時間がたっている、または一度も分解洗浄をしていない

こうしたサインがあれば、前回からの年数にかかわらず洗浄を検討するタイミングです。なお、室内機からの水漏れは、ドレンパンや排水経路の汚れが原因のひとつになることもありますが、故障の可能性もあります。まずは設備の管理会社やメーカー窓口に点検を相談してください。

天井カセット形(天カセ)について詳しくは、天カセ洗浄の作業範囲と料金をご覧ください。

法令で決まっている「点検」との関係

業務用エアコンには、法令で頻度が決められている点検があります。ただし、これらは主に点検の頻度で、エアコン本体の分解洗浄を何年ごとに行うかを一律に定めたものではありません。

建築物衛生法(特定建築物の場合)

店舗・事務所などの用途の延べ面積が3,000㎡以上の建築物(学校教育法第1条の学校は8,000㎡以上)は「特定建築物」にあたり、空気調和設備内の排水受け(ドレンパン)は、使用開始時と使用期間中に1か月以内ごとに1回、汚れや詰まりを点検し、必要に応じて清掃することとされています。ビル全体の管理は建築物環境衛生管理技術者のもとで行われるため、テナントとして入居している場合は、ビルの管理会社に点検・清掃の状況を確認しておくと計画が立てやすくなります。

フロン排出抑制法

業務用エアコンの管理者(機器の使用者)は、すべての機器について3か月に1回以上の簡易点検を行うこととされています。圧縮機の定格出力が7.5kW以上の機器は、出力に応じて1年または3年に1回以上の定期点検も必要です。これは冷媒(フロン類)の漏えいを確認する点検で、内部の汚れを落とす洗浄とは目的が異なります。

法定点検と洗浄の両方を管理している担当者の方は、点検の記録と洗浄の記録を同じ台帳にまとめておくと、次回の時期を判断しやすくなります。

複数台を計画的に洗浄するときのポイント

  1. 台数と場所を一覧にする機種(天カセ・天吊・壁掛けなど)、設置場所、前回の洗浄時期を一覧にします。
  2. 汚れやすい場所から優先する厨房に近い席や、運転時間の長いフロアなどを先に洗浄し、それ以外は年度を分けて順番に行う方法もあります。
  3. 使う季節の前に済ませる冷房や暖房を本格的に使い始める前に洗浄しておくと、使用中に止める必要がありません。
  4. 業務に影響しない時間帯を決める閉店後・終業後・休日など、作業できる時間帯から逆算して日程を組みます。

作業時間:1台あたり約1時間前後が目安。複数台は同時進行により作業時間が短縮される場合があります。設置環境・機種・汚れ具合により変動します。

ブライトリビングでは、営業終了後・夜間・早朝の作業も追加料金0円です(夜間・閉店後対応)。料金は税込で、同一現場で合計4台以上(機種の混在可)は原則1台2,000円引き、10台以上や特殊な条件の場合は個別にお見積りします。大阪府内は出張費原則0円です(料金表と計算例)。

洗浄の時期を相談したいときは

「前回がいつだったか分からない」「どの台から洗浄すべきか決めたい」といった段階でもご相談いただけます。使用状況を伺い、洗浄の時期や順番のご相談に応じます。機種と台数、設置場所、エアコン本体と型番シールの写真があると、具体的なお見積りにつながります。

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